オットと結婚してから、何十回と徳島に帰省して、何回かオデオン座の近くを通り、この建物の真ん前まで来ても、その内側に入ったことがありませんでした。
それは、まず家族に会って、一緒に過ごすことがいちばんの目的で、それでじゅうぶんだったし、子どもが小さかったり、用事が先であったり、そんなこんなで・・・この日になりました。
ぽっかりと空いた数時間、とても贅沢な気持ちで、脇町をひとりぶらぶらとして、オデオン座の前まで来て、チケット売りの小さな窓口が開いていることに気がついて、「今日は何か催しをしていますか?」と尋ねたら、眼鏡をかけた女性が「今日は何もありませんが、内部見学ができますよ」と案内してくれました。
オデオン座は、1933(昭和8)年8月に建てられた本格的な芝居小屋。戦前は歌舞伎や浪曲の上演で人気を集め、戦後には歌謡ショーや映画上映など、地域の憩いの場として親しまれてきたそうです。
一時、映画の斜陽化と建物の老朽化が重なり、閉館、取り壊される予定だったところ、山田洋次監督の松竹映画『虹をつかむ男』のロケ舞台となったきっかけで、町指定文化財として、創建当時の姿に修復され、一般公開されています。
今でも様々なイベントが開催されているそうですが、小さな劇場なので、舞台がとても近くて、観客としては嬉しいですね。
私は昭和ニンゲンなので、この風情がたまらなく居心地よく感じました。
舞台から客席を見ると、こんな感じ。今、ブログを書いていて、この場所でヨーガできたら、面白いなあと思ってしまいました笑
建物の正面に「十五才 学校Ⅳ」(2000年)山田洋次監督の映画ポスターが貼られていました。
「急ぐ必要はない。君の速さで歩けばいい。君が君でいる事が何よりも大切なんだから・・・」
この言葉に安心するのは、コドモだけじゃないですよね。
外から観るだけじゃなく、一歩、中へ足を踏み入れてみるって、ほんと大事・・・どんなことも。
朝霧カタツムリ