母に誘われ、ある書展に出向きました。
母といっしょに電車に揺られて神戸へ出かけるなんて、数年ぶりのこと。
母のお目当ての書は、会場入ってすぐにありました。いつも母の俳句を好んで書いて下さる六車明峰さんの作。
今回は母のこころの師・永田耕衣さんの俳句を書かれたということで、楽しみにしていたのです。
この書は、縦は母の身長ほどもある大きなものです。私が小学生の頃、書道で使った半紙の大きさとはケタ違い(笑)
永田耕衣さんは、俳句の中に人や世の本質を表しながらも、ユーモアという知性を巧みに入れる俳人だったそうです。母は俳人としても、ひとりの人としても、耕衣さんのことを敬愛しています。
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この度のテーマは「笑」だそうで、会員の方々が出逢った「笑」に纏わる俳句や詩が、それぞれの自己表現として紙いっぱいに表されていました。
どの作品も、無意識でも呼吸はコントロールされ、書く作業に集中し、無心になっている書き手の様を窺い知れるものでした。
六車さんと話をさせて頂いて、ヨーガでも書道でも俳句でも、入り口は何であれ、「気づき」の点において似通ったところがあるということに、共感を頂きました。
どの道もどういう意識を持って、その扉を開き、その世界を歩くのかによって、同じ世界観に行けるということです。
印象的な作品をいくつかご紹介します。書くのはさぞかし大変だっただろうなあ。。。
個人的に、この作品が好きでした。八木重吉さんの詩の内容と、書体のやわらかさがとても合っています。旧仮名使いの表現で「わらふ」も笑いの質を表現しています。「ふふふ」という自然な笑いが浮かびます。
笑うって、いいですよね。でも、うまく笑えない時だって、そのことを認めてあげるといいですよ。笑えない自分を責めたりしなくていいんです。そういう自分にどうか気づいてあげてください。「気づき」には力があるんです。気づくとわだかまりが消化(昇華)します。
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帰り道、今までももう少し、母に合わせて、こんな時間を持てばよかったなあと思いました。
こころのマッサージはいろいろなシチュエーションで、ふわりと起きるものですね。何気ない、こんな一日がしあわせです。
朝霧カタツムリ