この数年、パンデミックのみならず、ヨーガの学びのコミュニティにも混乱や分断を感じる経験が多くありました。その渦中にいる時も、自分自身の練習があったからこそ、わりと平穏を保てたような気がします。
そして、今春あたりから、ひとが動き始め、世が動き始めて、ほとんど以前のように滞りなくものごとが流れ始めて、それらを俯瞰して、これまでのことを感じ直す日々を送っていました。
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6月の終わりから7月の始め、山の暮らしをしているオットと母のそばに、私も一週間滞在してきました。
朝早く起きて、太陽が低い位置にあるうちに、インゲン豆、ピーマンなどを採り、昔鶏舎として使っていた作業場にそれらを山積みにし、黙々と出荷作業をする日々でした。
当然、スマホを手に取ることもなく、一日一日が山の時間に置き換わって、どんどんシンプルなハートに戻っていくのを感じました。
この写真は、あまりに美しい自然をいくつか残しておきたくて撮ったものです。インゲン豆の蔓がアーチにかけられたネットを頼りに、
空の方へぐんぐん伸び、密集している隙間からお日さまの光が眩しく差し込んできます。
里からぐっと奥に入り込んだこの地は、ニンゲン以外の生物の存在を感じるには充分過ぎるほどワイルドです。この世はニンゲンだけのものではないことをハッキリと突き付けられます。
野菜や草花の蜜を求めて、蜂や蝶が活動している様をすぐそばに見て、彼らがただシンプルに、己のいのちのリズムに準じてそこにいる姿に、私が学んできたものを改めて感じ直すことが出来ました。
ヨーガを探究する「方向性」の確認ができたのです。
なんだか、とてもスッキリとした気分になれました。そして、同時にここ数年のもがきは本当に大切なプロセスであったなあと感じることもできました。
遠くに真理があり、そこに辿り着くために躍起になるのではなく、今此処にあるものをつぶさに観て、そのものを感じ入っていくことでも、真理から離れずにいることはできます。
「ああ、ここにあるじゃないか!」
そんな風にわたしの、あなたのヨーガを機能させていけますように。