2013年秋、J.Brown先生と出逢って以来、ずっと彼をハートの師として学びを得ています。
ヨガのたねの新しい講座は、「ヨガの真髄をめぐるお話会with J.Brown(2023) 。全4回の初回テーマは「ヨガと瞑想」でした。
私たちの学びの礎は、現代ヨガの父T.クリシュナマチャリア先生とご子息のT.K.V. デシカチャー先生から受け継がれるものです。
講座の始まりに、まずデシカチャー先生の言葉がシェアされました。
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私は単に坐って「私はたった今から瞑想する」などと言うことはできません。しかしながら、私は瞑想の状態が起こるよう、適切な状況を作り出すことはできます」(T.K.V. デシカチャー)
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少しわかりやすく説明すると、「ようし、瞑想を練習して、心を穏やかにするぞ! 無の境地を味わうぞ!」と一生懸命実践したところで、瞑想の状態を「起こすことはできない」ということです。けれども、瞑想の状態が起こるような状況を作り出すことはできます。(必ず起きるものではないし、期待してやるものでもありません)
講座では、一方的ではなく対話形式が大切にされており、おはなしだけではなくヨガの実践もあります。
そのプラクティスは、この講座のためだけに先生が組み立てたものではなく、彼自身が毎日行っている練習法であり、その内容をなるべくどの方にも、その方自身が味わえるように、いくつかの選択が提示されます。
その内容は10年前彼から教わったものよりも、さらに優しく、まるで自分自身が木の精霊になったように、自然の一部なんだといのち全体で味わえるような「自然のワルツ」の動きに変化しています。
考えてみれば、10年前とは変化した「現在の」心身に合わせて、内容が変わりゆくのは自然なことなのです。呼吸と身体の動きを合わせた練習はたくさんのポーズをするわけでもないのに、現実的な効果を感じさせてくれます。いのちが呼吸で満たされる感覚は、すっきりとした清々しさとふわっとした柔らかさの両方をもたらしてくれます。
「自分に無理をさせる」「自分に何かを課す」「不自然な」練習は、身体を痛める可能性もありますし、心の穏やかさや静けさから自分自身を遠ざけてしまう恐れがあるのです。
もともとはニューヨークのど真ん中で、土に触れることもほとんどない暮らしを営みながらも、内側の自然の声に従ってヨガを実践してきた先生は、自らの気づきに導かれて、窮屈に感じる洋服(概念や感覚など)を一枚一枚脱いでいかれたのでしょう。
昔は集中と熱意をもって瞑想に取り組んできたし、それによる恩恵もゼロではないけれど、「瞑想の状態は起こすものではなく、自分の内側から生じてくるものなんだ」という真髄に出逢ってからは不自然な頑張りを手放したそうです。
よく「マインドを安定させることが瞑想だ」と説かれますが、それ自体が目的なのではありません。瞑想の状態に在るとき、「自分の中にもともとある神聖なものと共に在る感覚を受け入れていく」ことが大切なのです。安定や平穏を感じることの、もうひとつ奥を覗いてみましょう。そのときも、力みは要りません。ふわっとわき起こってくるものを観察してみてください。
不思議に思うかもしれませんが、自然な流れで自己の解放や、他者を受容すること、万物に想いを馳せる、などということに拡がりを見せていくでしょう。そのプロセスはひとそれぞれです。そして、自己と繋がっていることこそがヨガ(ユジュ「繋がる」が語源)であり、それを味わっているときは祈りの静けさそのものです。
日本人はもともと八百万の神々の存在を信じていました。ところが、そういう精妙な感覚を感じられない暮らしが拡がった今、宗教問題も絡まって、宗教という言葉に拒否反応が出る人が多くなってしまいました。とても、残念なことです。宗教とはそもそもどういったものであったのでしょうか。
そもそも、宗教とは大いなる自然を敬い、ニンゲンの力を過信しすぎず、私たちを謙虚にさせてくれるものではなかったでしょうか。
現代の宗教の多くが、真の意味での宗教と大きくかけ離れ、教義で信じる者をコントロールしたり、枠組みの中に囲ったりするものになってしまい、うさん臭いものであることは大問題だと思います。
J先生は、「自然こそがグル(先生)なんだ」と言いました。森の近くに引っ越しされた彼は、靴を脱いで、足の指をよく見るようになったようです。そして、チャンテイングを木という友だちに、歌をプレゼントするように唱えるようになったそうです。それは、今の彼から自然に生まれる行為のようです。
私たちが生きている間中、現実的な悩みや苦しみに苛まれることはあります。しかし、それらとどんな風に向き合って、どんな選択をすればよいのか、ヨガの練習は私たちに気づきをもたらしてくれます。その気づきこそが、たからものですね。
次回は3月5日 9:00~11:30まで テーマは「ヨガとタントラ」です。
ヨガを知る。そして世界の仕組みを知るためのキーワード「タントラ」
そもそも、タントラって何? そして、その概念を「体現する」とはどういうことなのでしょうか? 机上の勉強としてではなく、今私たちが生きている、生命そのものの学びを通して、タントラに迫っていきます。
ヨガのたね講座↓ (わたしからお繋ぎすることもできます)
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