4年と10か月お世話になったヨーガの場を閉じました。
カマーラフールというお店は、わたしが暮らす朝霧という町で、もう30年も存在しています。
最初に知ったのは、わたしの父が「面白い店がある」ということで、一緒に行ってみたんじゃなかったかしら。
雨の音のする不思議な民族楽器があって、何度も傾けて、中に入っている種か何かがザザーッという音を立てるのを、ふたりで面白がった記憶がありますが、あまりにも昔のことで、今はその記憶が正しいのかさえわかりません。
そのあと、わたしは時々思い出したようにカマーラフールに寄りましたが、ヨーガをするようになってから、その頻度が少し高くなっていったように思います。
友だちとケーキセットを食べて、よく語らいもしていたそのお店で、ヨーガを伝えることになろうとは昔のわたしにはとても想像できなかったことでしたが、この4年と10か月という間、お店の主であるマガラさんとのお付き合いの、その心地よさはずっと変わることはありませんでした。
このお店は、まわりの人々と「共に生きる」ことを教えてくれた場でもありました。マガラさんという女性がその実践者であるからです。
この場はただのお店というよりは、様々な人々を受け入れている懐深いオアシスのような場です。
わたしは、今自分の手元にあるものを分け合うという仲間に入れてもらっていました。それは、畑で採れたものだったり、美味しいお菓子であったり、地域の情報、面白かった映画の話、感情、愛、目に見えないものに至るまで。
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このままここでヨーガを続けていくことはできたかもしれません。でも、ほんとうに不思議なもので、いちばん良い時に良い決断ができるのも、ヨーガの恩恵だと感じるのです。
わたしはまだ年寄りではないけれど、若くもありません。今からのライフスタイルを見直す時期に差し掛かっており、時間とエネルギーをどのように使っていくのかを考えるようになりました。そして、ヨーガをより深い視点で伝えていくことを考える時期に来たと感じています。
そういった気持ちをマガラさんに打ち明け、そのままを齟齬なく受け入れて下さったとき、私たちには似ているところがあり、お互いがお互いのよき理解者であるのだと感じることができました。それは、とてもありがたく幸せなことでした。
幼かった看板猫シャンティには、はじめの頃、マットを敷いて準備をするとき、邪魔をされたものでした笑 でも、彼女もオトナになり、わたしも精神的にひとつオトナになった今、関係性が心地よいものに変わりました。彼女はすべてを知ってくれているだろうと感じています。決別するわけではなく、また来る「サヨナラ」だということも。
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わたしは今、ちょっと変わろうとしています。だけど、焦りはなく、不安もなく、今内側に在る感覚を大切に観ながら、しばらくはゆったりと自然に任せようと思っています。
そして、行きつ戻りつ、わたしなりの「共生」のあらわしかたを模索していきます。
こだわらず、やわらかく、わたしの波を大事にできますように。
家に帰ったら、ドアノブに花束の袋がかけてありました。カードには心友の「おつかれさま」の言葉。ようやく実感がわいて、目の奥が熱くなりました。
カマーラフールのシャンティヨーガにお越し頂いたすべての方々に深くお礼を申し上げます。ほんとうにありがとうございました。
今度はお店でお茶をしましょう。